一般社団法人 信州上田観光協会 うえだトリップなび

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上田紬の織物体験! 小岩井紬工房で、400年の文化に触れる

今からおよそ400年前に生まれた、絹織物の上田紬。手織りの技術を大切に、伝統を受け継ぐ「小岩井紬工房」の3代目、伝統工芸士の小岩井良馬さんを訪ねました。

▶ ▷日本三大紬のひとつ“上田紬”とは

現在長野県では、松本・伊那・飯田・上田の4つの産地をまとめて“信州紬”として国の伝統工芸の指定を受けています。

上田紬の特徴は、縞と格子柄。縦糸と横糸の重なりでさまざまな色や柄が生まれるのが面白いところで、目を細かくしっかりと打ち込むことで生まれる、丈夫でしなやかな風合いも魅力とされています。

上田城が築城された際、地場産業として奨励されたという由緒ある織物で、真田家がつくった「真田織」が元になっていますが、当時は戦乱の世。養蚕はなかったので、当初は麻で作られていたそう。

絹糸を用いるようになったのは、三代上田城主・仙石忠政のとき。「関ヶ原の戦い後、破却された上田城を再建するなかで、文化も作り上げていったといわれています」と小岩井さん。

素地を作った真田家、文化として根付かせた仙石家、受け継いで発展させた松平家。上田城を治めた三家がひとつとなって上田紬は広がっていきました。

また上田紬が結城・大島に並ぶ日本三大紬とまで言われるようになった背景には、“蚕都・上田”と称されるほど上田市の蚕糸業が盛んだったことも関係しています。紬の発展には、こうした切り離せない地の利があったのです。

 

▶ ▷時代とともに、蚕種から織元へ

小岩井さんの家も、江戸時代からずっと蚕種製造業を営んでいました。工房のある上塩尻地区はとくに養蚕の盛んな場所で、今でも繭倉や猫瓦など、面影を感じる街並みが残っています。

織元として創業したのは昭和23年。

「世界大恐慌で蚕種業が立ち行かなくなり、戦争が始まってからは上田紬も衰退の一途を辿りました。再び動き出したのは戦後です。医学博士・金井章二先生のもと上田紬を復興しようという動きがあり、うちの祖母も加わって頑張ったと聞いています。昭和30年から40年の高度経済成長期、空前の着物ブームがあって織元は一気に増えました」

 

当時60軒ほどあったという織元ですが、現在は小岩井紬工房を含め4つが残るのみ。「伝統工芸自体が昔の生活習慣に合わせてできているので、踏襲しているだけでは通用しなくなっているのは感じますね。それぞれの工房がコンセプトを持って、今に合わせたものづくりを頑張っています」

小岩井紬工房のこだわりは“手織り”。機械織りでは表現できない柔らかで丈夫な風合いを守りながら、ブラッシュアップを続けています。

 

▶ ▷伝統工芸に触れる工房見学と織り体験

上田駅から車で約15分、または最寄りの西上田駅から徒歩5分ほど。北国街道沿いにある工房では、見学や体験、上田紬の反物や小物の購入ができます。

 

工房内は色とりどりの糸や整経台、今も現役の明治時代の織機、昔の様子を写した写真など、見所がたくさん。時期や時間帯によっては、糸を染めている工程もガラス越しに見られるそう。

 

優しい光が差し込み、ゆっくりと時間が流れているようでした。

ここで体験できるのが、花瓶敷織り。所要時間は40分ほどで、同時に2人まで一緒に織ることができます。熟練の職人さんが丁寧に教えてくださるので、初心者でも安心。糸を渡して、足を踏みかえて、打って。自分のペースで好きな色を組み合わせ、オリジナルの作品が出来上がります。

織り体験は電話やメールで予約が必要なので、詳細はホームページをチェック。体験の他に上田紬のストールや着物や帯を織るプログラムもあるので、気軽に連絡してみてくださいね。

 

▶ ▷信州ならではのりんご染めの作品に注目

工房の入り口を入って左手側は、お買い物ができるショップになっています。

「着物や帯は常時100反以上取り揃えているので、お着物がお好きな方はぜひごゆっくりご覧ください」と、小岩井さん。

小物は人気のストールや手に取りやすい印鑑ケース、名刺入れ、他にもネクタイ、ポーチ、ストラップなど20種類以上が並びます。

なかでも目を引くのが、「上田紬の新しい一つの特徴になれば」と、小岩井さんが考え出した“りんご染め”の上田紬。

使っているのは、シナノゴールドや秋映、シナノスイートなど、県内ではお馴染みのリンゴの木の樹皮。リンゴの種類と、色を引き出すときに使う媒染の組み合わせによって色味が変わるそうで、同じリンゴでもアルミを用いて黄色を出したり、鉄を用いてグレーを出したり。リンゴのさまざまな色味と濃淡で、新たな上田紬を生み出しています。

ここ数十年の流行りは縞が強調しすぎない無地感のもの。もしくは振り切ってポップでカラフルなもの。小岩井さんは、紬を一つの生地として、時代に合わせたいい形で未来に残していきたいと考えています。

「洋装や普段の暮らしに取り入れる提案も行っているので、気軽に触れてもらえたら嬉しいです。工房では着物をしつらえる相談や販売も行っているので、初心者から着物好き、織り好きの方まで、どなたでも足をお運びください」

上田の風土と文化が生み出した上田紬。地域の人に愛され、再び注目を集めている柔らかな風合いを感じてみてください。

INFORMATION

 
小岩井紬工房
住所
〒386-0042長野県上田市上塩尻40
TEL
0268-22-1927
営業時間
9:00~18:00頃
料金
花瓶敷き織り体験  ※要予約
料金:2,500円(税込み)
所要時間 40分程度
定休日
不定休
関連サイト
小岩井紬工房