一般社団法人 信州上田観光協会 うえだトリップなび

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特集記事

上田の地酒を味わう 六蔵の日本酒でカンパイしよう!

おいしい水や寒暖差のある気候、環境によって味が決まる日本酒。現地で飲むのはもちろん、お土産にしたりお取り寄せしたり、いつでも楽しい時間のお供になってくれます。
上田市には、それぞれに特色ある6つの酒蔵があります。今回の記事では、2つの酒屋さんを訪ね、上田市の豊かな風土を五感で感じるのにぴったりな各銘柄と、おいしい飲み方や選び方など、地酒のイロハを教えてもらいました。

地酒文化を支える「酒屋」という存在

訪ねたのは「地酒屋宮島」の宮島国彦さんと、「原商店」原英和さん。お二人とも唎酒師の資格を持つプロフェッショナルで、広く長野県内のお酒を守り育て、全国に向けて販売する素敵な酒屋さんです。

【地酒屋宮島】
上田市真田町、国道144号線沿いにある地酒専門店。「信州地酒」と書かれた大きな赤い看板と、真田十勇士に擬えて並ぶ日本酒10銘柄のパネルが目印です。

お店の創業は1923年と古く、今年100周年を迎えます。地域のミニスーパーとして始まり、瓶ビールなどを中心に扱う酒屋を経て、県内の地酒屋専門店になったのは2000年のこと。酒屋というものの価値を考え直した末の決断でした。

「店を継ぐタイミングで、日本酒好きが高じて唎酒師の資格を取り、本格的に準備を進めました。お酒の流通は大きく2つに分かれていて、コンビニやスーパーで買えるオープンなものと、専門店でしか買えないクローズドなものがあります。クローズドな商品を揃えるため、何度も酒蔵に足を運んで話をして、徐々に専門店として成り立ってきた経緯があります」と、宮島さん。

長野県内には約80の酒蔵がありますが、宮島で扱っているのは、そのなかの45蔵ほどです。ひとつの酒蔵で年間20種ほどのお酒を出すので、扱う日本酒の数は600~700種類くらい。店頭に並ぶお酒は全て口にし、美味しかったもののなかでも「どこでも買えるものではない酒」を中心に厳選します。

「かっこいい言い方をしちゃうと、長野県も上田市も我々にとっては宝の山。酒蔵の数がたくさんあると酒の数もそれだけあるから、僕もまだ巡り合っていないお酒がたくさんあります。“長野の酒なら宮島に聞いてみればなんとかなるよ”と言ってもらえるような店づくり、暖簾づくりを目指しています」。

地酒屋宮島

住所:上田市真田町長5913-1
電話:0268-72-4039
定休日:火曜日
営業時間:9:00-19:00
HP:https://mssakaya.com/

 

【原商店】

創業明治38年(1905)の原商店は、4代続く地元の酒屋さん。現在の国道18号、北国街道沿いの上田市上塩尻にお店があります。
開店当初は日本酒を扱う店の規制が厳しく、塩尻地区で2件だけあったうちのひとつでした。時代の変化とともに日本酒を置く店が増えていくなか、差別化の図れるもの、ここだから手に入るものを揃えたいと、地酒の取り扱いを始めた経緯があります。

「今は20ほどの蔵元と取引があります。地元の酒屋が地元の酒を扱うのが一番という考えのもと、“一緒に成長したい”“応援したい”という蔵を見つけてお願いをしてきました。今は甘旨ジューシー、香りフルーティーで女性でも飲みやすい銘柄が人気を集めています」と、原さん。

陳列の棚には、“2019”、”2021”など、年号のシールが付いた瓶も並びます。米と麹、水を発酵させてできる日本酒は、味の変化を楽しめる醸造酒のひとつ。

「時間とともに微生物が活動して熟成が進むので、風味や色が変わっていきます。バラバラだった味が一体になって深みが増すというか、まろやかに美味しくなるというか。うちではヴィンテージのシールを貼っていますが、それを狙って買っていくリピーターさんも多いです」。

また醸造部門では、創業当初からの味噌や、女将のつくる甘酒も人気の品。
そのままはもちろん、上田市内の企業とコラボして、甘酒や味噌を使ったドーナツ、たまごタルト、日本酒を使った焼き菓子など、さまざまなお菓子を生み出しています。

「僕自身が甘党なこともあって、店頭でのスイーツ販売も定着してきました。日本酒はもちろん、さまざまな上田の美味しさを味わってもらえたら嬉しいです」。

原商店

住所:上田市上塩尻260
電話:0268-22-1941
定休日:水曜日
営業時間:9:00~19:00
HP:https://hara-igeta.jp/

 

切磋琢磨で品質高まる上田市の地酒

現在、上田市で日本酒を出している蔵は6つ。
どれも長い歴史を持つ酒蔵ですが、全てが代替わりをして若返ったというのが、酒造りにも大きな影響を与えています。

「若い杜氏さんたちが任意の勉強会を開いていて、互いに飲み比べや情報交換をしながら、“いい酒を造っていこう”って、ひとつの方向を見るようになりました。冗談抜きで本当に旨い酒が生まれている。それが今の上田市です」と、宮島さん。

日本酒には原材料のお米のよさも欠かせませんが、上田市では、各酒蔵が地域の農家と連携しながら、いい酒米を作ることにも取り組み始めています。

「例えば『信州亀齢』の岡崎酒造と上田市の稲倉の棚田。“ひとごこち”や“山恵錦”など、酒米の新規改良も進んでいて、そうした米を使った挑戦作のお酒もあったりと、とにかく飲んでもらいたい!という気持ちは強いです」(宮島さん)。

また「ひとつの市にこれだけ酒蔵が集まっているのは珍しく、多いほうだ」と話す原さんは、この数年で上田市の酒蔵の知名度が上がり、全国的に注目が集まっているのを感じています。

「とくに信州亀齢の岡崎酒造が、業界内でスター蔵と呼ばれるまでに成長したのは大きいと思います。名前もラベルも一新、全てを純米酒以上にするという大改革をして、それに追随するように他の蔵もグッと旨い酒を造るようになって。リピーターも増えている実感があります」(原さん)。

醸造酒と呼ばれるお酒は、日本酒の他にワインとビールがありますが、上田市には3種類全ての醸造施設が揃っています。
全国的に人気を集める日本酒蔵、世界的評価を受けたワイナリー、そして新進気鋭のクラフトビール醸造場。

宮島さんは、「美味しい酒を造るポテンシャルは、山や川などの自然環境に恵まれた上田市独自の風土はもちろん、漬物や味噌、醤油など、保存のために発酵を取り入れてきた食文化そのものが影響しているのではないか」と、話してくださいました。

 

専門店店主に聞く、上田6蔵の代表銘柄とポイント

岡崎酒造


江戸時代前期の1665年に創業した「岡崎酒造」。銘柄は「信州亀齢」。
現在の杜氏は、全国でも数少ない女性杜氏の岡崎美都里さん。北国街道の宿場町として栄え、今でも趣ある街並みが残る柳町に蔵を構え、酒造りに取り組んでいます。

岡崎酒造

住所:上田市中央4-7-33
電話:0268-22-0149
定休日:年中無休
営業時間:9:00-16:00
HP:http://www.ueda.ne.jp/~okazaki/

 

信州銘醸


上田市丸子地域で江戸や明治の時代から続いてきた4つの蔵が共同で始めた信州銘醸。
一部の銘柄では、近隣地域に湧く超軟水の「黒耀の水」を使用し、品質本位の酒造りに取り組んでいます。
代表的な銘柄は、「久しい方と酒盛りし、喜びを分かち合おう」の思いから生まれた「喜久盛」と「瀧澤」の2つ。昔ながらの技法に若い蔵人の技術研究が融合し、進化を続ける蔵元です。

信州銘醸

住所:上田市長瀬2999-1
電話:0268-35-0046
HP:http://www.shinmei-net.com

 

若林醸造


“信州の鎌倉”と呼ばれる塩田平で、1896年に創業した若林醸造。
代表銘柄は、創業者が吉野桜の下で酒を愛でたことから名の付いた「月吉野」。
2016年、約50年ぶりに自醸造を復活させた女性杜氏の若林真実さんが、時代に合った、すっきりとした雑味のない味わいを目指してリブランディング。
「つきよしの」を色と形で表現し、赤・空・桜・緑など、種類別に色分けした新デザインも人気となっています。

若林醸造

テキスト住所:上田市中野466
電話:0268-38-2526
定休日:土・日曜・祝日(第3土曜日は営業)
営業時間:9:00-17:00
HP:https://www.tsukiyoshino.com/が入ります

 

和田龍酒造


創業は1887年。上田城跡公園の北側、北国街道沿いにある蔵元です。
代表銘柄は、先代の頃から続く飲み飽きしないレギュラー酒の「和田龍」と、現社長の名から取り、よりこだわって造った「和田龍登水」の2つ。
“お酒は対話商品である”をコンセプトに個性的な味わいを目指しています。

和田龍酒造

住所:上田市中央西1丁目14-14
電話:0268-22-0461
定休日:日曜・祝日
営業時間:9:00-17:00
HP:https://www.wadaryu.com/

 

沓掛酒造


北国街道沿いで江戸元禄年間(1688~1704)に創業し、酒造業を営んで300余年。現在は全量長野県産米と菅平水系の水を使用した酒造りを行っています。

地元上田で長く親しまれる銘柄「福無量(ふくむりょう)」と、「様々なシチュエーションでこの酒を≪お互い≫に酌み交わしてもらいたい」という願いから地元の酒販店とタッグを組んで開発した「互」があります。

直売店「郷の蔵(さとのくら)」では、蔵元限定酒を始めとした福無量全ラインナップが揃っており、一部商品については試飲(有料)も可能です。

沓掛酒造

福無量 直売店「郷の蔵」
住所:上田市下塩尻36
電話:0268-21-9232
定休日:月曜
営業時間:10:00~16:00(日・祝:10:00~15:00)
HP:https://kutsukake-sake.com/
https://satonokura.shop-pro.jp/ (直売店「郷の蔵」WEB店)

 

山三酒造


山三酒造は、信州上田の地で1867年に創業した日本酒造です。2015年より一旦酒造りをお休みしていましたが、2023年2月から再開しました。先代より継承した、真田家の家紋名を冠した『真田六文銭』と、酒蔵名を冠した新たな銘柄「山三」を地域に根ざし、世界に向けて醸造します。

全量が小仕込みの丁寧な酒造りで、醸造アルコールを添加しない純米と、丁寧に磨き上げた酒造好適米を利用した吟醸造りを特徴としています。

山三酒造

住所:上田市御嶽堂687-1
電話:0268-42-2260
定休日:土・日曜日
営業時間:9:00-17:00
HP:http://yamasan-sake.jp/

 

冬から春にかけて登場する「新酒」を嗜もう

秋に登場する“ひやおろし”、春や夏の気候に合わせた限定酒など、四季と一緒に楽しめるのが日本酒のいいところ。

なかでも、新米を仕込んで1番に搾る「新酒」は、11月の終わりから2月にかけて、1年の始まりを告げるお酒です。

常温で通年店頭に並んでいるものと違い、火入れや貯蔵をしない“生の状態”で出荷されるのが特徴で、出来立てほやほやのフレッシュな香りがたまりません。
発酵による微発泡で、口にすると舌がチクチク刺激される感覚も味わえます。アルコール度数はやや高めの16から18度。味の変化が早いので冷蔵庫に入れて保存しますが、常温でもおいしくいただけます。

お米が主原料の日本酒は、味噌や漬物、佃煮などとの相性がピッタリ。
また、若々しい香りが強い新酒は、料理だけでなく、リンゴや柿など季節の果物と合わせるのもおすすめです。

もうひとつ提案したい食べ合わせは、お酒を搾ったあとに出る“酒粕”です。
板状になっているものを炙ってわさび醤油をつけたり、クリームチーズと一緒に溶いてディップにしたり。

粕にもアルコールが含まれるので食べ過ぎ注意ですが、蔵によっては販売しているところもあるので、店頭で見かけた際はぜひ手に取ってみてください。

 

上田市内で地酒が買える場所はこちら

まずご紹介するのは、酒蔵の直売店。岡崎酒造、若林酒造、和田龍酒造、沓掛酒造の4蔵は、それぞれの蔵元でお酒の購入が可能です。
営業時間など、詳細はホームページで確認を。蔵の見学は行っていないのでご注意ください。

いろいろな蔵の日本酒をまとめて買いたい場合は、先にご紹介した「地酒屋宮島」「原商店」、さらに上田駅前にある「おみやげ処北村」もおすすめです。

おみやげ処北村は、上田駅お城口側にある駅ビルの1階、「上田駅お城口」の信号の角にあります。
創業60年を越すお店で、贈答用に和紙で包まれたリンゴ、漬物、味噌、六文銭グッズなど、さまざまな長野県の銘品が揃います。

取り扱う上田の地酒は、信州銘醸の「瀧澤」をメインに、武石地域の酒米を使った「奏龍」など。一番の特徴は、他では味わえない北村オリジナルの生原酒。2014年頃から信州銘醸と一緒に始めた取り組みで、高さ2メートルの貯蔵タンクを店頭に設置し、量り売りを行っています。

無料で作れるオリジナルの肩ラベルは、父の日や誕生日など、お礼やプレゼントの品として人気のサービスです。

おみやげ処 北村

住所:上田市天神1丁目8-1
電話:0268-22-2369
定休日:木曜
営業時間:10:00-18:00
HP:https://kitamura.raku-uru.jp/

 

さらに銘柄によっては、地元のスーパーや酒屋でも、各蔵の地酒に出会えることがあります。気軽に手に取り、試してみてはいかがでしょうか。

2023年は、丸子地域の「山三酒造」が数年ぶりに酒造りを再開し、上田6蔵が揃うと言われる記念の年。冬の新酒に始まり、花見や夏祭り、秋のお月見など、さまざまなシーンでたくさんの人と一緒に酌み交わし、楽しい時間をお過ごしいただければ嬉しいです。

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